2021年元旦『激動の時代を生き抜く商魂と変わらぬ人間心理』

新年あけましておめでとうございます。本年度もよろしくお願い申し上げます。

 2021年「辛丑(かのと・うし)」年となりました。2020年は私たちが経験したことが無い中共ウイルスやアメリカ大統領選挙等の社会的情勢に見舞われ、まさに歴史が動いている瞬間を目のあたりにしていたのだと思います。

1.環境に振り回されない経営を実行し続けることの大切さ

 そのような中で経営者は、「環境に振り回されない・惑わされない経営を実行し続けること」ということが、一段と明確になったのだと感じております。

1-1.日本を代表する100年企業『三井家』の具体的な事例

 余談ではありますが、江戸時代という武士(徳川家)の独裁政権下だった日本では、今よりも重い「六公四民~五公五民」の年貢が課せられていました。その上、大飢饉も3度(享保・天明・天保)あり、一揆や、疫病(はやり病)も何度も起きたそうです。
 しかしそのような時代の中から三井家(1672年日本橋で越後屋・現在の三越を創業)などの歴史に残る名企業は誕生し、令和時代の今でも活躍し続けているという現実があるのです。

現在の三越は年商1兆2,000億円
三井住友銀行は3兆円以上の年商規模。三井グループ全体では計り知れず…。
歌川広重の江戸百景に描かれた越後屋前の繁栄の様子。

 当時の三井家は、越後屋の商売でしっかりと商売繁盛をした上で、厳しく節制する経営でお金を貯え、そのお金を元手として「公金為替」という幕府の仕事の支援をして、金融業としてもさらに成長を遂げました。

「公金為替」(こうきんかわせ)とは、要するには、京都と東京間の売買でお金を移動すると賊に襲われたりして危険が伴うため、お金を持っていた三井家が名乗り出て、京都と東京それぞれで立替業務を行ったということなのです。

 その後、江戸時代が終わり主権が天皇に変わった明治時代の頃には、三井家は、日本政府に「三井家無しでは存在ができない」と言われるほどになっていたのです。
 さらにその後に三井家は、日本政府から多くの官営工場の払い下げを受けて、それらの企業の経営も行い発展させ、大正・昭和初期の産業革命を担った歴史の事実があります。

 かたや、日本橋に越後屋を創業した当初には、三井家に嫉妬した旧来の商人たちが、店舗前に糞尿をばらまき嫌がらせをしたという記録も残っているようです。。

2.混沌とした時代でも「商売人の使命」を実行すること

 このような歴史の事実を改めて確認することで、時代が変わっても人間心理は変わらないし、商売の極意も変わらない、発展する企業はいつでも発展するものだと、私は感じます。

 さらに私たち塗装店は、「商人」であるので政治を動かすことはできません。だから、今の時代の政治に対しても非力ではありますが、見るべきところはそこ(政治)ではなく、混沌とした時代の中でも幸せを求めて生きていく人々を幸せにするための商売をするという点なのだと、改めて心に刻みたいと思うのです。

 そして、それこそが我々商売人の使命でもあるので、我々はより一層、環境が変わっても「誰のためにどのようなサービスを提供するべきなのか?」をしっかりと見つめ続ける必要があるのだと、2021年は思います。

 たとえどのような時代になったとしても、人が住宅に住んで一生を送る以上、住宅の補修・改修が必要になり、私たち日本建築塗装職人の会をはじめとする日本全国の塗装職人(技術者)が求められるものであると、私は判断しています。

 そして、引き続き建築系技術者は減少の一途を辿っている(2020年現在)ので、これからも私たちの存在意義はさらに重要度を増してくると共に成長期が続くこととも理解しています。

3.未来の発展に向かう経営努力をし続けること

 このようなことからも、間違ってもコロナ禍のせいで不況になったと考えるのではなく、どのような時代でも、自らの経営力不足を補う努力をし続ける私たち職人の会でありたいと2021年も願っています。

 繰り返しにもなりますが、職人の会式経営の改善のご提案・新しいツール開発のご要望などは、2021年もどんどん受け付けて参りますので、ご遠慮なく日本建築塗装職人の会総合本部(03-3527-9865)info@nihon-syokunin.com までご連絡ください。

職人の会本部は、引き続き、これまで以上に会員の皆様が経営成功を実現し続けてゆけますよう、力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

日本建築塗装職人の会 会長 青木忠史

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