(6)思い出づくりアンケートはがき<解説編>
ここでは、業界が競争過多になってきた時のツールをもうひとつご紹介いたします。その名は「思い出づくりアンケートはがき」です。以下に解説をします。
①目的
このアンケートの目的は、お客様に対して反響動機(反響媒体も含め)と契約要因を根ほり葉ほり聞き、自社がなぜ選ばれたのか?自社をなぜ決めていただけたのか?を明確に把握することです。
そうすることによって、同業他社が増え続けて変わりゆくマーケット(市場)や、変わりゆくお客様のニーズを捉え続けることが可能となります。
②隠された意図
しかし、あまりにも露骨に根ほり葉ほり聞いてしまうのは、警察官の尋問みたいですので、お母さん、お父さんが楽しく取り組んでいただけるような工夫を各所で凝らしています。では具体的にご説明いたしましょう。
③具体的な12のポイント解説
ポイント①.ハガキは、A4サイズで、いつもの可愛らしいアサヒカラーです。
ポイント②.「商品券5000円分をプレゼント!」と書いてありますが、こちらは、クーポン券戦略のクーポン券を差し上げることで良いでしょう。
ポイント③.最高大賞にお届けする「その年の新米1年分をどーんと」では、日本人のお米1年分の消費量は、60kg と言われていますので60kgを差し上げます。ただ、ご高齢の方に対していきなり60kg をお届けするのも、どうかなと思いますのでその3分の2として40kgでもOKかと思います。
(また、最近は1年のうちでも3分の1程度はパンを食べていることから、40kg の3分の2となりますと、30kg 程度が妥当ではないでしょうか。少ない、とおっしゃられたら、それではあと20kg持ってきますね♪と追加してあげたほうが喜ばれるでしょう。)
ポイント④.「お問い合わせをしてくださったきっかけを思い出してみてください♪」
ここでは、Q1で反響動機、反響媒体、Q2で検索キーワード、Q3で心理的な要素を教えてもらいます。施工中の仕上がり前あたりの満足されているお客様などであれば、どんどん教えてくれますよね。
ポイント⑤. Q4では改善点を教えてもらいます。聞かないよりとにかくまず聞いてみてみることが大事です。
ポイント⑥.Q5で比較された同業他社を教えてもらいます。常時、相見積の相手に出てくる相手とは、お客様は「似たりよったりの会社」と思っていると判断し、自社の独自性を追求して発見していくきっかけといたしましょう。
ポイント⑦.わくわくしながら裏のページのアンケートに取り掛かります。商品券がもらえますし、お米もどーんと貰えるかもしれないので、わくわくしますね♪
ポイント⑧.Q6とQ7でも契約要因を聞きます。以前、会員様のアンケートを見ていて、こんなお客様の声がありました。「社長の考え方が、他の業者の方とは全く違い信頼できたから。・・・(中略)」でした。このような場合には「どう違ったのか?」を教えてもらうといいですね。
ポイント⑨. 次には、施工中の質問・改善点の聞き出しです。Q8は、主に代表親方(受注親方)の提案力について確認をするところですが、Q9~Q13までは、職人に関することです。
外壁塗装業は、職人が商品ですので、職人を磨き続けなければなりませんが、お客様に直接ご指摘を頂くことでさらにその成長を加速していくことを想定しています。特に点数をつけてもらえるのは、彼らのやりがいを推進しますし会社でもマネジメントに活用できますね。(今月最高得点の人には、〇〇をしますよ!等とね)
また、このようなアンケートを行ってもらうことで、「このお店は、ちゃんと職人育成のことを考えているんだな~」ということを暗に伝える効果もあるでしょう。
ポイント⑩. そして、ブレイクタイムでは世間にもよくあるワードパズルです。こちらはアサヒのものですが、制作を受け付けするときには、あなたのお店のものに差し替えます。
アサヒの場合には「創業昭和54年、いつも一生懸命。ただ、それだけです。元祖・事務所はボロいが腕は一流!」ですが、ここには一番自社が訴求したい点、お客様に覚えていただきたいキーワードを入れることで、お客様の頭に残していくことを目的としています。
明確なキャッチコピーが無い場合には、社長のお名前(苗字と名前)そのものでも良いのではないでしょうか。
ポイント⑪.以前のアンケートはがきにもありました「リフォーム後の今の気持ちを教えて♪」の欄も、マーケティング的に分解して具体的な設問としました。
また、紹介するときの決め文句(セリフ)を考えてもらう、教えてあげるというのも、紹介促進の鉄則でしたね。
ポイント⑫.新たに追加されたのが「リフォーム川柳」です。ご高齢の方などは、絵を描いたり、詩を書いたり、読書をしたりしています。その中でも、川柳を書いたりするのも多いですもんね。
川柳を書いていただいた方は、人に伝えたいと思っているのでそれをまた表彰してあげるのも良い施策になりますね。
お店でも表彰してあげ、日本建築塗装職人の会でも表彰をしていけるように致します。そうすることで、少しでも口コミが広がりますよね。
【注意事項】 このように、「思い出アンケートはがき」は、ただのアンケートはがきではありません。長年の全国行脚の中で、様々な戦略を構想して生み出したアンケートはがきであり、職人の会の会員様だけが活用できる宝物です。 また、地元の印刷屋さんに出してしまうと同業他社への流出、マーケッターたちに流出してしまうため、隠密戦略のためにも絶対に他社で印刷をされないよう、本部で印刷をよろしくおねがい致します。 |
④使い方
基本的な使い方としては、おおよそ、施工中、終盤に差し掛かったあたりで持参することが良いでしょう。もちろん、せっかく作ったのだから、OB顧客様に使ってみるという場合でもOKです。
⑤期待する4つの効果
効果①.お客様が自社を選んでくれる理由が明確に分かってくるため、自社を選ぶお客様のタイプ(理想の対象顧客様像:ペルソナ)も明確に分かってきます!
※今までは精神論的な「うちのお客様は値段であれこれ言わない人」等というような認識であった方でも、その人の「志向性」から判断できるようになってゆくと想定しています
効果②.理想のお客様像が明確になることで、会社の事業戦略・事業計画を考えやすくなります!その結果、会社のブランドが明確にできはじめ、組織もできるようになります。
(理想の対象顧客様像が明確になっていない会社は、どんな場合でも社長が行かなければNGという状態ですから、そのような状態から脱皮できるようになります)
効果③.このようなアンケートはがきをお客様から頂くことで、社員(職人)のお客様視点が発達し、 お客様のために成長意欲を持って仕事に取り組むようになります!これまで社長の言うことがあまり理解できなかった方でも、理解をしていただけるようになってゆくことが想定されています。
効果④.口コミ紹介促進がさらに増えていきます!このマニュアルをしっかり実践をしている職人の会の会員様は口コミ紹介が多いものですが、さらに多くなっていきます。そうすることで、自然とリピート型のビジネスモデルに移行していき、内装のリフォーム・改築等も依頼をされるようになっていくようになります。
⑥様々な創意工夫
①当たり前ですが、黙っていても、皆様書いて送ってくださるとは限りませんので、書いて頂くことを念を押すだけではなく、返って来ない場合には幸せリフォーム通信やDMなどで「まだ、〇〇様からのアンケートはがきが返ってきません。お待ちしております・・・・」という案内をお送りしたり、お伺いした際に、「職人のためにも御願いします」と社長(受注親方)自らがお願いをして書いてもらう工夫も時には必要ですね。
②ホームぺージに掲載する際には、Q6~Q17の面のみを掲載し、穴埋めワードパズルや、考えるヒント等、はぼかしを入れる等をして、アンケートの全貌がホームぺージに完全にUPされないように、配慮をお願いいたします。
当たり前ですが、表面のQ1~Q5まで、相見積業者の名前のところはくれぐれも載せないようにしてください。